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【教育×AI】学習塾におけるAI活用について解説!

この記事では、教育業界、特にも学習塾におけるAI活用についてご紹介します。学習塾を経営されていて競合他社との差別化要素にお困りの方はぜひご覧ください!

学習塾における課題

進む少子化

学習塾における大きな課題の1つとして少子化が挙げられるでしょう。厚生労働省が公表している令和2年版厚生労働白書では出生数が減少傾向にあることが確認でき、2040年の出生数は約74万人と、2019年の9割弱の水準になることが見込まれています。

出典:厚生労働省|令和2年版厚生労働白書

少子化がもたらす学習塾への影響

少子化によって学習塾に影響を及ぼすと予測される要素として以下のようなものがあります。

  • 生徒数の減少による競争の激化
  • 講師数の減少による授業品質維持の難化
生徒数の減少による競争の激化

少子化によってターゲットとなる生徒が減ることで、学習塾間での生徒の取り合いが激しくなることが考えられます。ただでさえ子どもの数が限られている中、その数が減少していくため、競合他社との差別化点を強く打ち出すことが求められるでしょう。

講師数の減少による授業品質維持の難化

少子化による影響は生徒だけでなく、講師にも及ぶことが考えられます。優秀な講師も生徒同様、取り合いになっていくことが予測され、競争力の要素の1つである授業の品質を高く保つことが難しくなっていくでしょう。

教育業界で注目されるAI

こうした少子化によって生じる課題を解決するのに役立つ可能性があるのがAIです。近年、教育業界ではデジタル化やDXへの関心が高まっており、成長著しいAIを活用する動きも進んできています。

個別最適化された学習への注目

経済産業省 が2019 年 6 月に発表した「未来の教室」と EdTech 研究会 第2次提言「未来の教室」ビジョンでは、「学びの自立化・個別最適化」が柱の1つとして挙げられており、近年、子ども達一人ひとりに合った学習の提供が関心を集めています。

「学びの自立化・個別最適化」とは、子ども達一人ひとりの個性や特徴、そして興味関心や学習の到達度も異なることを前提にして、各自にとって最適で自立的な学習機会を提供していくことである。そのためには、AI(人工知能)やデータの力を借りて、子ども達一人ひとりに適した多様な学習方法を見出し、従来の一律・一斉・一方向型の授業から、EdTech を用いた自学自習と学び合いへと学び方の重心を移すべきである。

経済産業省|「未来の教室」と EdTech 研究会 第2次提言「未来の教室」ビジョン

子ども達一人ひとりに合った学習を提供するには、子供たちそれぞれの学習データが必要となります。そこで、大量のデータを人間に代わって分析することができるAIにも注目が集まっているのです。

学習塾におけるAI導入のメリット

では、学習塾におけるAI導入のメリットは何でしょうか。考えられるメリットとして、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 生徒の成績アップに繋がる
  • 講師の負担を軽減できる
生徒の成績アップに繋がる

生徒毎の成績データを管理し、AIにデータを分析させることで、生徒一人ひとりに合った指導を行うことが可能になります。客観的なデータを基に最適な学習提案をAIが行うようになれば、全ての講師が生徒の成績を基に成績アップに繋がる学習計画を立てることができるようになるでしょう。授業の範囲が最適化されることで、学習塾全体の授業がより効率良く成績アップに繋がるものになると考えられます。

講師の負担を軽減できる

これまでの生徒の成績から、学習塾に通っている生徒一人ひとりに合わせて、成績アップや志望校合格に最適な学習計画を立てるのは簡単なことではありません。AIが膨大な生徒の成績データを分析することで、人間に代わって最適な学習計画の提案を行えるようになれば、その分の講師の負担が軽減されることが期待されます。

学習塾のAI導入における注意点

成績アップや志望校合格といった競合他社との差別化に繋がる可能性を秘め、講師の負担軽減にも役立つと考えられるAI。ですが、AI導入には注意点が存在します。

学習データの蓄積には時間がかかる

AIが一定の精度で予測できるようになるには、特徴や傾向を学習するために大量のデータが必要です。データの量が不十分な場合、予測精度の低下や特定の状況下でしか予測できないといった問題が起こる可能性があります。そのデータを蓄積するのには一定の期間を要します。

学習ログが十分に蓄積されるには、当然ながら時間を要する。一人ひとりの成長というアウトカムに紐づけた分析を加え、その結果を次なる教育イノベーションに役立てるためには、さらに 10 年単位での時間を要すると思われる。そうした長期的な課題であるがゆえに、早急に学習ログの蓄積を始め、今できる範囲での活用をすぐに始めねばならない。
そして、異なる企業が運営する異なる EdTech の間の、データの相互運用性が担保される環境整備も、他の分野の標準化作業に時間がかかるのと同様、時間を要するがゆえ、早急に取組みを始める必要がある。
学習ログの蓄積が進み、ビッグデータ化が進むことにより、そのデータの分析結果は教育イノベーションに貢献するかもしれない。また、その分析結果が教育政策上の判断の形成にも役立てられれば、一人ひとりの子ども達に対して、より個別最適化の精度が高い、きめ細かく適切な教育を提供できるようにもなるだろう。

経済産業省|「未来の教室」と EdTech 研究会 第2次提言「未来の教室」ビジョン

また既にあるデータがそのまますぐに活用できるとは限りません。組織内でデータがバラバラになっている場合(データのサイロ化)、どこでどのようなデータを管理しているか確認し、それらが保存されているファイルの種類や型などを統一する必要があります。そうした確認・整理に時間や労力がかかってしまい、すぐに活用できない場合があります。

「教育×AI」を実現するには、使えるデータを蓄積するところから始めよう

学習塾におけるAI活用についてご紹介しました。今後も進むことが予測される少子化によって、生徒数や講師数の減少といった課題を引き起こすと考えられます。日進月歩で発展していくAI技術はそうした課題の解決に役立つことが期待されています。

AIが生徒一人ひとりの成績データを学習し、分析することで、生徒一人ひとりに合った学習提案をすることができれば、生徒の成績アップや講師の負担の軽減も夢ではないでしょう。データの蓄積には一定の期間を要するため、早めにAI導入を取り組むことがおすすめです。

Office Kでは学習塾向けのAIシステムを開発中

Office Kでは現在学習塾向けの生徒の成績を管理するAIシステムを開発中です。成績データをAIに分析させることで、将来のテストの成績推移の予測やどこを勉強すれば成績アップに繋がるかといったことが分かるものを目指しています。

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