こんにちは、技術者Kです。
前回までのPython道場の記事はご覧いただけたでしょうか?
前回は、商品と店ごとの売上の予測を経験則とデータ分析でどれほど結果に違いが出るかを比較することで、
データ分析の効果についてご紹介しました。
まだ読んでいないという方は、ぜひご覧になってみてください!
今回は小売業界でのビッグデータ活用事例をご紹介したいと思います。
小売業界でのデータの活用といえば、POSデータを連想する方もいらっしゃるかもしれません。
POSデータとは、何の商品が、いつ、どの店舗で、いくつ、いくらで売れたのかがわかるデータです。
値札についたバーコードをスキャナーで読み取ることでこのデータを手に入れることができ、
このPOSデータを使うことで各店の販売動向や売れ筋商品などを知ることができます。
近年では、この他にも様々なデータを分析し、売上向上につなげています。
データ分析で売上向上をしたいという方は、参考までにぜひ最後まで読んでみてください!
それでは活用事例を見ていきましょう。
ヤクルト
飲料メーカーであるヤクルト社は、顧客の購買行動を分析することでオランダでの売上を15~20%も伸ばしたことで知られています。
ヤクルト社の課題の1つには、スーパーマーケットなどの各店舗で商品をどう配置するか?というものがありました。
同社の商品は1つのカテゴリ内に100~150点もあり、店頭に並んだそれらが互いに顧客を奪い合っていたためです。
顧客の購買行動を分析した結果、今ではスーパーマーケットの店舗別に同社商品と競合商品の売り上げの比較や
棚割1センチ当たりの商品の回転率までも分かるそうです。
購買行動の分析による成功例の1つは、
通常サイズの7本パックのヤクルトの隣に15本パックのヤクルトを並べておくと、どちらの売上も伸びることを発見したことです。
これは、分析によってそれぞれのパックのヤクルトを買う客層が異なることが分かったから発見できたそうです。
購買行動のデータを分析することでこのような発見をし、都度改善していくことで、
オランダでの売上を15~20%も伸ばすことに成功したと言われています。
GEO
株式会社ゲオは今や、DVD/CDレンタル、ゲーム販売などを手がける「ゲオショップ」を2000弱もの店舗を全国に展開しています。
ゲオショップの有効会員数は現在2600万人を超えていますが、その会員のデータを会員証を兼ねる「ゲオアプリ」によって取得しています。
ゲオでは、どの店舗でどの様なものが売れるのかといった販売傾向のデータを分析しています。
ゲオアプリからの情報を基に、会員を趣味別、売上貢献別などでグループ分けを行い、それぞれのグループが
何をどの程度購入するのかなどを分析して売上向上につなげています。
例えば趣味に応じたクーポンを発行し、最適なタイミングにメールを送付することで売上向上につなげています。
グッデイ
株式会社グッデイは北九州市を中心に64店舗のホームセンターを展開しています。
取り扱っている商品は8万点にのぼるそうです。
かつて、それらの発注業務は現在の在庫数と過去の販売データを比較しながら行っていました。
しかし、最終的には各店舗の担当者が経験則によって発注量を決定していました。
そのため在庫に過不足が発生してしまうことがあったといいます。
そこでグッデイでは、商品の売上数をデータから分析して予測することに注力します。
その結果、ある商品では過去3年分の販売実績データや気象データにより、98%もの精度で予測できるようになりました。
それまで人の経験則に頼っていた発注業務を、客観性をもってだれでも同じように行えるようにしたのです。
まとめ
今回は、小売業界でのビッグデータ活用事例をご紹介しました。
各社、様々な情報から売上向上につなげています。
こうしてみると小売業界では、なぜその商品が売れたか、その商品がいくつ売れるか、などを知るために
データを分析していることが分かります。
経験則で売上や発注量を決めていたという方は、販売履歴や政府が公開している気温などのデータから
それらを予測することにチャレンジしてみると良い結果につながるかもしれません。
では、また次回!